退屈から抜け出すための映画

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映画「イコライザー2」(ネタバレあり)

「イコライザー2」

イコライザー2

作品データ

公開:2018年/アメリカ
原題:The Equalizer 2
監督:アントワン・フークア
製作:トッド・ブラック、ジェイソン・ブルメンタル、デンゼル・ワシントン、アレックス・シスキン、スティーブ・ティッシュ、アントワン・フークア、メイス・ニューフェルド、トニー・エルドリッジ、マイケル・スローン
製作総指揮:モリー・アレン、デビッド・ブルームフィールド
キャラクター創造:マイケル・スローン、リチャード・リンドハイム
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:オリバー・ウッド
美術:ナオミ・ショーハン
衣装:ジェニー・ゲーリング
編集:コンラッド・バフ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、アシュトン・サンダース、ビル・プルマン、メリッサ・レオ

概要・あらすじ

元CIAエージェントで、昼間の表の顔とは別に、世の裁けない悪人を19秒で抹殺していく「イコライザー」としての顔を持つ主人公ロバート・マッコールの戦いを描く。現在の表の職業として、日中はタクシー運転手として働いているマッコールだったが、CIA時代の元上官で親友のスーザンが何者かに殺害されてしまう。独自に捜査を開始したマッコールは、スーザンが死の直前まで手がけていた任務の真相に近づいていくが、やがてマッコール自身にも危険が迫る。そして、その手口から相手はマッコールと同じ特殊訓練を受けていることが判明。同時に身内であるはずのCIAの関与も明らかになっていく。(映画.comより抜粋)

 

感想

いままで何となく避けていたのですが、今回人生初、MX4Dで鑑賞してきました。というのも地元の映画館でこの『イコライザー2』がMX4Dでしか上映していなかったからなのですが。(だからか日曜でもお客さんが少ない)追加料金1000円もするんですね・・・その割にはって感じがしましたけど。

なぜMX4Dを避けていたのかといえば、基本的にいつもひとりで映画を観に行く私は(基本も何もいつもひとりなのだけど)、1人でジェットコースターに乗るみたいな妙な恥ずかしさがあったんですよね・・・。とはいえ、実際体験してみたら、そこまで激しいこともなく、1000円出したからにはむしろもっと揺れて欲しかったくらい。でも、やっぱり車の動きに合わせて座席が揺れたりするのは、結構楽しかったです。

実は前作の『イコライザー』は、ほんの1週間前くらいに「洋画専門チャンネル ザ・シネマ」で観たばかり。で、これがめちゃくちゃ面白かった。最近のアクション映画の中では群を抜いた面白さだと思います。

監督は『トレーニング デイ』、『マグニフィセント・セブン』などで、過去にデンゼル・ワシントンとタッグを組んでいるアントワーン・フークア。この人は男の生き様を描いた作品が多いですね。主人公が奥さんや家族を亡くしているパターンも多い。『イコライザー』でも奥さんを亡くしていますが『サウスポー』でもそうだったなぁ。アントワーン・フークアにとっても、デンゼル・ワシントンにとっても、シリーズものは今回初となります。

 

前作では、CIA工作員だったデンゼル・ワシントンが、愛する妻の死をきっかけに自らの死を偽装して工作員を辞め、その後ホームセンターで働きながら平穏な生活をしていました。行きつけのダイナーで読書をするのが日課で、家からお茶のティーバッグを持参して行く(店的に良いのか!?)。そこで娼婦のクロエ・グレースモレッツ(本当は歌手志望)と出会い少しずつ親交を深めていくが、ある日クロエちゃんが客に暴行を受け、その際にやり返したことがきっかけで、元締めのマフィアに見せしめのためにボコボコにされてしまう。その痛々しい姿を目の当たりにしたデンゼル・ワシントンは、「このまま黙ってはいられん!」と、過去の自分が目を覚まし、マフィアたちを次々と成敗していく・・・というお話でした。

何が面白いって、まず元CIA工作員がホームセンターで働いてるっていう状況が面白いなぁ。やっぱりギャップがある人間というのは興味をそそられます。穏やかで優しそうな雰囲気の人が、実はめちゃくちゃ強い!っていうのがいいじゃないですか。それから、デンゼル・ワシントンは物事を先読みする天才なわけで、敵の行動の一手も二手も先を読んでいるんです。だからピンチにならない。なったとしても解決方法まですべて頭の中に入っている。超スマート!強いだけじゃなくて頭までいい!

武器もありきたりな銃はめったに使わない。身近にあるものを工夫して武器にして使う。これってちょっとヒッチコックっぽいなぁと思いました。それと、前作でデンゼル・ワシントンの家にマフィアが乗り込んでくるシーンで、洗面所から水が流れる音が聞こえ、あたかも中に人がいるかのように見せかけるというシチュエーションがありましたが、ヒッチコックの『海外特派員 』にも同じようなシーンがあります。

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ヒッチコックの演出はもう古典のようなものだから、他にもたくさん似た演出の映画はあるはずなので、ここからのアイデアとは言い難いですが、元を辿ればここに行き着くはず。ちなみに『海外特派員 』はもんのすっごく見応えあって最高に面白いので、もしまだ観たことないという方は死ぬまでに絶対に観て欲しい作品です。死ぬまでにと言わず今週末とかでもいいです。

 

話を戻しますと、そう、身近なものを武器に使うんです。前作ではコルク抜き、ショットグラス、ハンマー、有刺鉄線、ネイルガン。今作では淹れたてのお茶とティーポット(この時水を吹きかけられたのがびっくりした)、クレジットカードなどなど。バラエティ豊かな殺人方法にはとてもワクワクさせられます。ただ、今作の方はちょっと地味だったというか、前作みたいに「なるほど!すごっ!頭いい!!」という興奮やスカッと感はあまり感じられなかった。残虐性は増した気もしますが。もともと『イコライザー』は80年代に放送されていたTVドラマ『ザ・シークレットハンター』の映画化企画だそうですが、こちらはガンアクションがメインで、映画版のようなDIY戦法は見られないそうです。

前作より武器使いの工夫は物足りなさがありましたが、その代わりに今作のデンゼル・ワシントンの表の職業はタクシードライバー(Uberみたいな配車サービス?正直Uberの仕組みをよくわかっていませんが)なので、前作にはないカーアクションのシーンがあります。これはMX4Dで体感しながら観るとまるでデンゼル・ワシントンの運転する車に乗ってるような感覚で超楽しめました。でも本当はもっとタクシーを使ってあれやこれやの技を繰り出して欲しかったなー。シートベルトとか、ハンドルとか、チャイルドシートとか(あるのか?)を使ったりなんかして。

 

今回の一番の盛り上がりどころと言ったらハリケーンの中、親友のスーザンを殺した犯人との対決のシーン。マサチューセッツ南部の海岸沿いの街で撮影したといいますが、本物の台風のようにリアルで本当に凄かった。撮影に1ヶ月はかかったらしい。しかし「なんでわざわざハリケーンの日に対決させる???」ってすごい疑問に思ってたんですよ。自然なめすぎって思ったんですよ。パンフレット読んでその理由がわかりました。ハリケーンで住民たちは避難しているから、巻き添え被害がないからとのことです。わーすごい納得。この映画のこういうところが素晴らしいなぁ。『スパーマン(マン・オブ・スティール)』にも見習ってほしい。

ちょっとイマイチなぁと思ったのは、同じ集合住宅の住人で、画家志望だけど意志が弱く、どことなく危うさを持った黒人少年を『ムーンライト』で主人公の10代の頃を演じていたアシュトン・サンダースが演じているのだけど、彼が集合住宅の壁のいたずら書きを消す作業をマッコールから請け負って、最後には壁に見事な絵を描くんですよ。本当にプロ並みの仕上がりなんですが、「あぁ〜なんか胡散臭いなぁ」と思ったし、こんなに才能あるならくすぶってる意味がわからないと思った。同じように、タクシーに乗せていたお客さんで、生き別れた妹を探しているじいさんがいるんだけども、こちらも最後に取ってつけたような感動の再会が待っている。こちらも胡散臭い。今回殺されたスーザンの夫役のビル・プルマンも『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』での全米テニス協会のボスで男性優位主義者の印象が残っていて、あのニヤニヤ顔がどうしても胡散臭く見えてしまう。と言っても仕方がないのですが。

そんなわけで、前作があまりにも面白すぎたので、それに比べると今作は爽快感が劣るかなぁと思ってしまいましたが、迫力ある映像はとても楽しめると思います。ぜひMX4Dで。

パンフレット

イコライザー2 パンフレット

22ページで720円。ちょっと薄い。映画秘宝でおなじみのギンティ小林さんが解説していたり、映画監督の内藤誠さんがコラム書いたりしています。今月号の『映画秘宝 2018年 11 月号』と同じ「ナメてた相手が、実は殺人マシンでした!」の特集もありますが、秘宝とは内容が被っていないのが素晴らしい!ところで今月の秘宝の『イコライザー2』のページで、主人公のマッコールが「前作で同僚の前で人を殺したので、少しでも印象を変えるために髪をのばした。」ってほんとうなのか・・・?

「イコライザー2」でマッコールが読んでいた本

98冊目。マッコールがマイルズに「これを読むことが条件だ」と手渡した本。マーベル・コミックの『ブラックパンサー』の脚本も手がけるタナハシ・コーツが2015年に発表した小説。

99冊目。ヘルマン・ヘッセが1922年に発表した小説。

100冊目。マルセル・プルーストが20世紀初頭に執筆した大長編小説。マッコールの妻はこの本を97冊目に選んだが、読んでいる間に亡くなったため、彼はこの本を100冊目に選んだとのこと。

『イコライザー2』関連商品

映像特典付き。欲しい・・・。

本編のみ収録。

アントワン・フークア×デンゼル・ワシントン作品。新人刑事の一日、トレーニングデイ(訓練日)を描いたサスペンスアクション。デンゼル・ワシントンが『イコライザー』とは正反対の役で怖い。

アントワン・フークア×デンゼル・ワシントン作品。黒澤明監督『七人の侍』を基にした1960年の西部劇映画『荒野の七人』のリメイク。

 

アントワン・フークア監督『サウスポー』についての私の感想↓

riset.hatenablog.com