退屈から抜け出すための映画

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「アメリカン・パロディ・シアター」ギャグ・ジョーク・悪ふざけを詰め込んだスケッチ・コメディ。

「アメリカン・パロディ・シアター」

アメリカン・パロディ・シアター [DVD]

作品データ

公開:1987年/アメリカ

原題:Amazon Women on the Moon

監督:ジョー・ダンテ、カール・ゴットリーブ、ピーター・ホートン、ジョン・ランディス、ロバート・K・ワイス

脚本:マイケル・バリー、ジム・マルホランド

出演:アーセニオ・ホール、ロザンナ・アークエット、ミシェルファイファー、キャリーフィッシャーなど

概要

深夜のテレビ番組をザッピングしながらランダムに見ているといった雰囲気をベースに、ギャグ・ジョーク・悪ふざけ・下ネタをふんだんに盛り込んだ、5人の監督によるオムニバス・コメディ。

解説・感想

町山智浩のVIDEO SHOP UFOにて鑑賞。いやー、バカバカしいけど面白かった。まさに、カウチポテト族のように、家でソファにもたれながらスナック菓子をほおばりつつダラダラと観られたら最高な映画です。(とはいえ、あまりスナック菓子は食べないのですが・・・。)裸のシーンや下ネタも多いので誰かと一緒に観る場合は気をつけてください(笑)

グレムリン」のジョー・ダンテや、「ブルース・ブラザース」のジョン・ランディスら5人の監督がそれぞれのエピソードを担当。そのエピソード数も全部で20以上ととにかく多く、もちろん面白い話からそうでもない話までバラエティに富んでいる。キャストも「星の王子ニューヨークへ行く」でエディ・マーフィーの相棒を務めたアーセニオ・ホールや、「スター・ウォーズ」のレイア姫を演じたキャリー・フィッシャー、「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイ」のミシェル・ファイファーをはじめ、数多くの役者が顔を揃えている。主要人物があまりにも多いため、オープニングでは「主演:大勢の役者」と雑な紹介がされているのも面白い。この映画をまとめて1作品として説明するのはとても難しいので、各エピソードをすべて紹介していこうと思っ・・・たんですけど、終わりが見えなくて途中で力尽きてしまったので、かいつまんで紹介します。(本当に半分くらいまでは書いたんです・・・。)

 

私が特に面白かったエピソードをあげると、まずはジョー・ダンテが監督した「批評家のコーナー」。これはアメリカの有名な映画批評家であるロジャー・イバートとジーン・シスケルが司会を務めていた映画レビュー番組をパロッたもの。番組を見ているだけのまったく関係ない一般視聴者の男が突然批評される展開が面白い。あまりにも知ったような口調で勝手なことばかり言うものだから、批評に憤慨して男が心臓発作を起こして死んでしまい、そのあとのお葬式のエピソードに続きます。(このお葬式のエピソードに出ているコメディアンもみんな本人ですごい!不謹慎極まりないけどあんな葬式ならさぞかし楽しかろう。)この作品についてのロジャー・イバートの批評を読んだところ、このエピソードについて「批評番組を風刺する新しい視点が好きだ」というような好意的な意見が書かれていました。(私の英語読解力が正しければ。)自分自身がネタにされたことに関してはスルー。ちなみに良い評価には親指を立てるマーク、悪い評価は親指を下げるマークで表していて、フェイスブックのいいねボタンをすでに先取りしている!と驚きました。

同じくジョー・ダンテの「デッチ上げか 真実か」のデッチ上げ番組も、5人の売春婦を殺害した猟奇殺人犯の正体はネッシーだった!とか超いい加減なことをやっているんですが、これはジャック・パランスがホストを務めていた1980年代の「Ripley's Believe It or Not!」というドキュメンタリーテレビシリーズのパロディだそう。youtubeで探せば出てきます。特に見る気は起きませんが・・・。

それからカール・ゴットリーブが監督した「透明人間のムスコ」がすごく面白かった。一番のお気に入りです。これはタイトルを見ればお分かりいただけるでしょうが「透明人間 (1933)」のパロディで、本人は透明になっているつもりがまったくなっておらず、そのことに気づかず全裸になってしまい、人前に出て無邪気にいたずらをするという逆転の発想が最高に面白い。それに対する周囲の冷静な反応との温度差も効果的だ。なるほど、全裸でうろつかれるくらいならまだ透明になってくれた方がマシかもしれないと思った。オリジナルの「透明人間 (1933)」をわりと最近観たばかりで記憶に残っていたので、映像がとても似ていてそれにも驚きました。ぎゃーぎゃーうるさいおばちゃんも出てきたらもっと最高だったのになぁ。

ジョン・ランディスが監督した「病院」は、無事出産を終えたカップルが赤ちゃんを見せて欲しいのに、医者はどうでもいい理由をつけてなかなか見せようとしないというお話。この医者の男がものすごくふざけた態度で腹が立ってくるんですけど、あまりにもバカバカしすぎてだんだんおかしくなって思わず笑けてくる。なんだか負けた気分。特に赤ちゃんを連れてきたかと思いきや、包まれているのは医者の”手”で、自分で赤ちゃんの泣き声を真似しながら手にミルクあげてるとこなんかもうバカじゃないかと(笑)これは見てもらわないとなかなか伝わりづらいなぁ。ちなみにカップルを演じたミシェル・ファイファー(かわいい!)とピーター・ホートンは、当時実生活でも夫婦でした。そのあと離婚してしまいましたが。

 

映画の原題にもなっているロバート・K・ワイス監督が担当したSF映画「月のアマゾネス軍団」は、月に着陸した探査チームが辿り着いた先に待ち受けてたのは色気たっぷりの美女軍団だったという話。このエピソードは、1953年のSF映画「月のキャット・ウーマン」のパロディとなっている。(まだ見たことがないので今度見てみます。)また、月の模型から明らかに釣り糸が見えているところなんかは、エド・ウッドの「プラン9・フロム・アウター・スペース」を思い起こさせるし、全体的にZ級映画(ひどすぎて逆にネタになる作品のことを表す)っぽさが漂う。

ロザンナ・アークエットが初対面のデート相手に「クレジットカードと免許証」の提示を求め、カードから全デート歴を調べて過去の女性関係がすべてバレてしまうというピーター・ホートン監督の「Two I.D.'s」は、当時は「こんなことありえない」と思って見られていたのかもしれないけど、現在はスマホやSNSで同じことが実現可能じゃないですか?便利な世の中(?)ですねぇ。

最後に、キャリー・フィッシャーが社会病になってしまうジョー・ダンテの「無謀な若者」は、1940〜50年代に、性病の危険性を高校生に教えるために作られた教育ドラマのパロディだそう。性的に堕落してしまった若い女性が社会病とかいう謎の病気に感染してしまい、自分の行いのせいで旦那の視力が落ちてしまった(関係ねぇ〜〜)。さらに社会病患者としてタバコやアルコールに溺れた男がまるで狼男のような姿で現れる。と、まるで脅しに近い内容。医者役のピーター・バーテルは「ロックンロール・ハイスクール」で、最終的にラモーンズのファンになってしまう教師の役が印象に残っているなぁ。

他にもエピソードはたくさんありますが、あまり説明しすぎても面白くなくなってしまうので(1つ1つのエピソードが短いですし)気になった方は是非観てみてください。

今回、町山智浩のVIDEO SHOP UFOでは公開の際に削除されてしまったエピソード3つ(The French Ventiloquist's Dummy、Peter Pan Theater、The Unknown Soldier)が含まれていなかったので、DVDを購入してそちらもチェックしたいと思います。

 町山さんの解説が聞きたい方は是非「ザ・シネマ」でご覧下さい。